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大学生とつくる キャリア教育 「高校生記者」(全3回)

大学生とつくる キャリア教育 「高校生記者」:髙橋 伸明先生にインタビュー(3/全3回)

対話によって得るもの

右:髙橋先生、左:「高プロ」の庄子さんーー ここから大学生メンターのリーダーにもお話をうかがいます。最初に、「高プロ」について教えてください。

 「高プロ」は立教大学経営学部学生による学生団体です。立教大学経営学部では、「権限なきリーダーシップ」を学びます。リーダーシップはカリスマが発揮するものではなく、成果を出すために行ったそれぞれ個人の行動は全てリーダーシップだ、ということです。この「権限なきリーダーシップ」を高校生に体験してもらう出前授業や、オープンキャンパスの支援など、高校生のキャリア支援を自主的に行っているのが「高プロ」です。高校生の皆さんに、自分の進路・未来を考えるきっかけを作ってもらおうと、約四〇名で様々な活動をしています。

 最初に髙橋先生からのご依頼があった時には、高校生に、自分たちでほとんど全てを行わせるというところが非常に興味深かったです。企業選定や、訪問のアポ取りまで高校生にやらせるのは斬新だと感じました。実際、アポ取りを教えようと思った時、大学生である僕らもやり方がわからなかったくらいです。自分が高校生だった時はこうした取り組みはありませんでしたが、もしあったら進路も変わっていたかもしれません。早い段階でいろいろな情報に触れられるというのは本当に貴重だと思います。

ーー 実際に高校生と関わって、お互いにとまどうことなどはありませんでしたか?

 最初に学校へ来た時には、廊下で音楽を流していたり、正直「やばいとこに来た」と思いましたが、プログラムが始まってみると、田柄高校生のフレンドリーさに驚きました。いきなり知らない大学生が教室に入ってきたのに、名前で呼んでくれたり積極的に話しかけてくれたり、これは彼らの強みだと思います。みんなとても純粋で、話し合いもまったく問題なく進みました。田柄高校には外国籍の生徒もたくさんいることが、他者にも心を開ける、このような雰囲気を作り出しているのかもしれません。

 プログラムに取り組んでいる間は、高校生にわかりやすく伝えることを心がけました。この点がやはり難しかったです。これくらいで相手に伝わるだろうと勝手に決め込んで準備していても、実際には届かないこともありました。僕らは大学へ入って一年間で、質問や発表の仕方など、多くを学んでいます。それを、立場や年齢が違う相手に、知識量などを考慮して伝えるためにはどこまで配慮することが必要なのかなど、もっと相手を理解する努力が必要だなと感じていました。

 そのため、事前事後の打ち合わせにはかなり時間をかけました。髙橋先生と大学生リーダー間でも、大学生間でも、現在どれくらいの進度か、次回でどこまで進めるかなど、連絡はこまめにとり、主体的に関われるよう、またそれぞれが責任感をもって取り組めるよう気を配りました。僕らは、マネジメントの重要性をこのプログラムから学ばせてもらいました。

髙橋先生:それはこちらの意図でもあります。全て指示してしまえば簡単ではありますが、それではわざわざ大学生に関わってもらっている意味がありません。「対話」によって、自分が考えていることと、隣の人が考えていることが違うかもしれない、ということに気づき、自分との共通点、相違点を認識する。これはあくまでグループ活動ですから、一人が頑張っても目標を達成できません。高校生にも、大学生にも、それを学び取ってもらえるプログラムにしたいと考え、重要な点だけ指示をして、それ以上は口を出しすぎないよう気をつけました。

ーー 大学生が関わることは、どのような意味があったと思いますか?

 グループ内での話し合いでは、全員がリーダーシップを発揮できるよう、語りかけなどに留意しました。また、発表はパワーポイントを使うので、その使い方や、説得力のある説明の仕方などを教えながら進めました。彼らは発表はとても緊張するようですね。SNS で発信することに敏感になっているせいなのか、人前で話すことに対してとても緊張していました。一緒に練習もしました。

 また、僕らが関わることで「大学生」というものを身近に感じることができ、将来のビジョンをより明確にできたかなと感じます。具体的な目標はそこまでの過程をより充実させることができると思うので、とても羨ましいです。

ーー 最後に、高校生の皆さんにメッセー ジをお願いします。

「グループ活動を行い、その結果をプレゼンすることは、今後も必ずやる機会があると思う。ぜひ今回の経験を生かしてほしい。」

「将来やりたいことを決めつけないでほしい。コレができない、と考えるのではなく、自分の目の前には可能性が広がっていることをわかってほしい。」

「今しかできないこと、高校生のうちにしかできないことをやってほしい。」

「面倒くさいと言わずにとにかくやってみる。恥ずかしがることなんてない。それを笑うやつはもっとダメだ。」

髙橋先生:これが一九歳から一七歳へのメッセージです。すごく説得力がありますよね(笑)。

(「高プロ」の冨田真樹さん、庄子裕希さんにお話を聞きました。)
(聞き手:(株)明治書院 三樹蘭)

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著者略歴

  1. 髙橋 伸明

    東京都立田柄高等学校教諭。
    大学院修了後、教員歴4年目。教員1年目より学生との連携授業や、研修会の開催など多方面で活動。

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