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著者解説『新入試評論文読解のキーワード300』

はじめに

書き下ろしコラム ①

大前誠司(『新入試評論文読解のキーワード300 増補改訂版』著者)

はじめに

 3度目の改訂に合わせてコラムを書かせていただくことになりました。
 そこには、深~い言い訳があります。

 『キーワード300』はけっこう時代を先取りしているつもりです。これから大学入試に出るであろう話題を積極的に取り上げていく。それをキーワードという形で提示する。
 だから正直言って、空振ることもあります。
 たとえば、「グローカリゼーション」。世界が一体化しながらそれぞれの地域性を失わないこと。テーマとしては出てくるけれど、日本語としてはなかなか出てきません。
 一方、「ソーシャルメディア」。前回の改訂ではかなり悩んで外しました。が、その後の浸透ぶり、社会への影響を考えると、自分の判断ミスを実感しています。
 今回も、「公共」とか「親密」とか、取り上げ方を悩んだ語がいくつかあります。
 かぎられた紙数との戦いなのでしかたないのかもしれませんが、編著者としては詰め込みたい。でもそんなことをすると、ただでさえ難しいといわれている『キーワード300』がより難しくなってしまう、、、
 
 それを少しでも解消しようとして、動画を編集部に提案しました。
 自分で提案したくせに、といわれそうですが、もともと私は、映像系の収録が苦手で、自分が書いた原稿を読んでも棒読みになりがち。それを自分で作成するといったのだから、無謀といえば無謀です。 
 ただ、ずぶの素人にも解説書なしでできるのがMacのいいところ。たしかに、動画のシナリオは大変でしたが、収録、編集まで含め、愛用のMacBookで動画を作りはじめました。
 これがけっこう大変なんですよ。編集部から言われた期限に全然間に合いません。その言い訳に、作成状況をコラムで報告しつつ、みなさんから動画についての感想や意見をいただくことにしました。
 こちらで公開する動画は最終版ではありません。
 たとえば、「声のトーンがやっぱり棒読み!」とご指摘があるようなら、がんばって録り直します。「あそこの図が見にくい」とおっしゃるなら、図を入れ替えます。
 ぜひ、ご意見ください。

 今回は、このコラムを書くことに至った経緯を書かせていただきましたが、次回からは、動画の内容に関する話を中心に書かせていただこうと思っています。

 最後に、、、
 Amazonのレビューで『キーワード300』は「内容が偏向している」との指摘がありました。大学入試の範疇を出ないように書いているつもりですので、大学入試の実情をご存知ない方の発言としか私には思えません。が、そういう方にも、実際にこういう内容がこの大学に出ている、と具体的に示すべきだと思いました。
 少しずつになりますが、大学入試の出題文章に関する資料を作成することにしました。
今回は、2000年以降の東大第1問のテーマ表です。高校生への指導にお役立てください。

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著者略歴

  1. 大前 誠司

    1962年徳島県生まれ。東京大学法学部卒。
    一般社団法人学びプロジェクト(manabi-project.com)代表理事。
    現在、あざみ野塾/あざみ野予備校、あざみ野大人塾などを運営。

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