桃李言わざれども、下自ら蹊を成す。
本文(書き下し文):
桃李言わざれども、下自ら蹊を成す。
読み:
とうりものいわざれども、しもおのずからこみちをなす。
通釈:
桃やすももの樹はものを言わないが、その木の下は自然と人に踏まれて小道ができる。
出典:
『新釈漢文大系 91 史記 十一(列伝 四)』401ページ
「李将軍列伝」最後の論賛部分で司馬遷が李将軍を評するのに使ったことわざ。「德のある人物のもとには、自然と人が集まってくる」ことの喩えとして用いられる。李将軍は、文帝・景帝・武帝三代に仕えた名将・李広。李陵の祖父。弓術に優れ、「漢の飛将軍」として匈奴に恐れられたが、不遇であった。