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【特集】高等学校国語 選択科目の授業と学習評価(全6回)/2023年春号

高等学校国語の学習評価(髙木展郎)

雑誌『日本語学』2023年3月春号より特集記事の一部を紹介します!

–第6回–

高等学校国語の学習評価


髙木展郎(横浜国立大学名誉教授)

 

  • 0 社会状況の変化と学校教育

  • 1 学習評価のパラダイムシフト

  • 2 国語の授業における学習評価

  • 3 国語の観点別学習状況の評価

  • 4 学習評価の段階及び表示の方法

  • 5 ルーブリックによる評価は、目標に準拠した評価とは異なる学習評価

  • 6 学習評価の総括と評定

  • 7 学習評価の具体

 

0 社会状況の変化と学校教育

[1]教育の再構築


①教育は、未来を創る

 教育は、未来を創ると言われている。

 アジア・太平洋戦争の敗戦から、既に78年が経とうとしている。世界情勢も大きく変化しつつあり、日本がおかれている国際的な状況も大きく変わってきている。

 文部科学省科学技術・学術政策研究所が、世界主要国の科学技術に関して分析した「科学技術指標」で、世界の他の論文に多く引用される「注目度の高い論文数」は、20年前は4位、10年前は6位であったが、2022 年版では12位となっている。

 身の回りの変化も起きている。これまで車はガソリンで走るものとされてきたが、それすら大きく変わろうとしている。通信手段もインターネットの時代となり、1人1台のスマートフォンを持つ時代となっている。

 COVID-19によって、日常生活の在り方も変わってきている。

 日本では明治5(1872)年の学制によって公的な教育制度が整った。明治維新後の教育は、昭和20(1945)年のアジア・太平洋戦争の敗戦によって終わった。戦後教育は、昭和22(1947)年の日本国憲法・教育基本法・学校教育法の制定によって始まった。タブレット端末が導入され、令和2(2020)年のCOVID-19の流行によって、学校でオンライン教育が行われるようになり、これまでの対面での授業や紙媒体の教材に依拠してきた戦後の日本の教育が大きく変わろうとしている。この間、それぞれ70有余年であることが注目される。

 日本の学校教育は、約70年スパンの中で、大きく変遷しているのかもしれない。とすると今日は、70年後の未来に向けての教育が始まって、3年目…

(続きは、「雑誌『日本語学』 2023年春号」をご購入ください。) 

日本語学 2023年 3月号 春号

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