風蕭蕭として易水寒く 壮士一たび去りて復た還らず
本文(書き下し文):
風蕭蕭として易水寒く 壮士一たび去りて復た還らず
読み:
かぜしょうしょうとしてえきすいさむく そうしひとたびさりてまたかえらず
通釈:
風蕭蕭として易水寒く 壮士一たび去りて復た還らず(風がもの寂しく吹いて、易水は冷たく、壮士はひとたび去れば、それっきり戻らない)
出典:
『新釈漢文大系 89 史記 九(列伝 二)』437ページ
「刺客列伝」のうち、荊軻伝の部分より。燕の太子丹から秦王暗殺を依頼された荊軻が、易水のほとりで見送る者たちに別れを告げる際に作った歌。この易水の別れの場面は、「史記」の中でも劇的な名場面とされる。荊軻は結局、暗殺に失敗し、殺されてしまう。