授業づくりのヒント『大鏡』での実践を例に(3/全4回)
4時間目
5人グループに戻って、授業をスタートする。
各グループ、Aの担当者から発表をさせ、C・D・E担当者が適宜、補強をしたり意見を述べたりするように指示する。
続いて、Bの担当者に発表させ、『花山天皇の退位』同様、C・D・E担当者も適宜、発言をするように促す。
最後に、「『花山天皇の退位』と『肝試し』に描かれる花山天皇・道兼の比較表」プリントを、各グループで1枚ずつまとめさせた。
5時間目
各グループの「『花山天皇の退位』と『肝試し』に描かれる花山天皇・道兼の比較表」プリントを、一覧できる形にして全員に配布する。
各グループが書いた内容には大きな開きはなく、概ね上段のような内容であった。
『肝試し』と『花山天皇の退位』の間での2人の変化は一目瞭然なので、※部に「変化の要因」と記入することを指示して、●と▲を考えさせた。
● = 弘徽殿女御の死
▲ = 兼家の指導
全員が、ほぼ同様の解答を記入していた。
次に、大きな変化は一目瞭然だが、「変化しないもの」はないだろうか、つまり、「『花山天皇の退位』に描かれる道兼に「ヘタレ」の要素はないだろうか。」「『肝試し』に描かれる花山天皇に、出家寸前の花山天皇と同じ要素は見出せないだろうか。」と呼びかけた。
今回の学習の大きな山場であるため、極力、生徒の議論に参加して、結論を導き出させた。(続く)
※この連載は、『国語の窓3号』に掲載しています。