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授業実践<古典>

授業づくりのヒント『大鏡』での実践を例に(3/全4回)

4時間目

5人グループに戻って、授業をスタートする。

 各グループ、Aの担当者から発表をさせ、C・D・E担当者が適宜、補強をしたり意見を述べたりするように指示する。

 続いて、Bの担当者に発表させ、『花山天皇の退位』同様、C・D・E担当者も適宜、発言をするように促す。

 最後に、「『花山天皇の退位』と『肝試し』に描かれる花山天皇・道兼の比較表」プリントを、各グループで1枚ずつまとめさせた。

 『花山天皇の退位』と『肝試し』に描かれる花山天皇・道兼の比較表」

5時間目

 各グループの「『花山天皇の退位』と『肝試し』に描かれる花山天皇・道兼の比較表」プリントを、一覧できる形にして全員に配布する。

 各グループが書いた内容には大きな開きはなく、概ね上段のような内容であった。
 『肝試し』と『花山天皇の退位』の間での2人の変化は一目瞭然なので、※部に「変化の要因」と記入することを指示して、●と▲を考えさせた。

  ● = 弘徽殿女御の死
  ▲ = 兼家の指導

 全員が、ほぼ同様の解答を記入していた。
 次に、大きな変化は一目瞭然だが、「変化しないもの」はないだろうか、つまり、「『花山天皇の退位』に描かれる道兼に「ヘタレ」の要素はないだろうか。」「『肝試し』に描かれる花山天皇に、出家寸前の花山天皇と同じ要素は見出せないだろうか。」と呼びかけた。
 今回の学習の大きな山場であるため、極力、生徒の議論に参加して、結論を導き出させた。(続く)

 ⇒【第四回】「6・7時間目」「まとめ」

 国語の窓3号

※この連載は、『国語の窓3号』に掲載しています。

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著者略歴

  1. 益川 敦

    頌栄女子学院中学校・高等学校教諭。
     学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士前期課程修了。専攻は平安女流日記文学(特に『蜻蛉日記』)。
     大学院の2年目から豊島区の私立川村学園に専任として、11年間勤務した後、港区の私立頌栄女子学院に移籍して現在に至る。古典学習の初学者に古典の楽しさを伝えることをライフワークと考えている。
     学習院高等科在籍時に、高橋新太郎・日笠祐二両先生から勧められ、松尾聡先生の著述と出会ったのをきっかけに《解釈文法》に関心を持つようになり、古典研究を志す。大学・大学院では、大野晋先生の教えを受けながら、吉岡曠先生・木村正中先生との出会いを通して、細やかな訓詁注釈に立脚した文学研究の大切さを知り、更に、檜谷昭彦先生(当時、慶應義塾大学教授)・高橋正治先生(当時、清泉女子大学教授)に師事して新しい文学研究の方法を学び、現在まで研究を続けている。
     著述に『平安文学研究 生成』(2005年 笠間書院)収録の、「蜻蛉日記論 ~兼家の居場所~」がある。
     2001年からは母校学習院大学で、教育実習事前講義の臨時講師を務める。また近年では、歌舞伎鑑賞の事前指導に力を入れていることが評価され、2010年以来、国立劇場のホームページで事前指導の様子が紹介されている。
     20年来の趣味である釣りは、スポーツニッポンでしばしば紹介されるほどの腕前。

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