web国語の窓

明治書院の国語教育webマガジン

MENU

今日の漢文

悲しいかな、秋の気為るや。…

本文(書き下し文):
悲しいかな、秋の気為るや。蕭瑟として、草木揺落して変衰す。憭慄として、遠行に在りて、山に登り水に臨み、将に帰らんとするを送るが若し。泬寥として、天高くして気清く、寂寥として、潦を収めて水清し。

読み:
かなしいかな、あきのきたるや。しょうしつとして、そうもくようらくしてへんすいす。りょうりつとして、えんこうにありて、やまにのぼりみずにのぞみ、まさにかえらんとするをおくるがごとし。けつりょうとして、てんたかくしてききよく、せきりょうとして、ろうをおさめてみずきよし。

通釈:
まことにかなしいことよ、秋の気というものは、さわさわと寂しく鳴る秋風に、草木は葉を揺らぎ落とし、色を変えておとろえていく。心は痛み悲しく、あたかも遠い旅路にあって、山に登ったり水辺に臨んだりして、故郷に帰ろうとする人を見送るときのような気分である。広々と空しく晴れて、天は高く空気は清く澄んでおり、ひっそりともの寂しく、雨水の濁りも収めて、川の水は清らかに流れる。

出典:
新釈漢文大系 82 文選(文章篇 上)』73ページ

新釈漢文大系 82 文選(文章篇 上)

 

ポイント
宋玉作「九弁五首」の冒頭の一節。宋玉は『楚辞』の重要な作家の一人。屈原と併称して、「屈宋」と呼ばれ、屈原の弟子とも言われる。この作品は草木や山水などの秋の景物の描写に優れ、「悲秋」のテーマは後の文学に影響を与えている。

タグ

バックナンバー

ランキング

お知らせ

  1. 明治書院 社長ブログ
閉じる