天下方に乱れ、群雄虎争す。撥めて之を理むるは、君に非ずや。…
本文(書き下し文):
天下方に乱れ、群雄虎争す。撥めて之を理むるは、君に非ずや。然れども君は実に是れ乱世の英雄にして、治世の姦賊なり。
読み:
てんかまさにみだれ、ぐんゆうこそうす。おさめてこれをおさむるは、きみにあらずや。しかれどもきみはじつにこれらんせいのえいゆうにして、ちせいのかんぞくなり。
通釈:
天下はまさに乱れ、群雄が虎のごとく互いに争っている。これを治めて統一するのは、君でなくて誰だろう。しかし、君は実に乱世の英雄、治世の姦賊だ。
出典:
『新釈漢文大系 77 世説新語 中』478ページ
喬玄(『後漢書』では、梁国睢陽の人で尚書令を務め、人を見抜くことに長じていたとされる)が、若き曹操を評した言葉。