隴西の李徵は、皇族の子にして、虢略に家す…
本文(書き下し文):
隴西の李徵は、皇族の子にして、虢略に家す。徵は少くして博学、善く文を属し、弱冠にして州府貢に従ふ。時に名士と号す。
読み:
ろうせいのりちょうは、こうぞくのしにして、かくりゃくにいえす。ちょうはわかくしてはくがく、よくぶんをしょくし、じゃっかんにしてしゅうふこうにしたがう。ときにめいしとごうす。
通釈:
隴西の李徵は、皇族の子孫で、虢略に住んでいた。徵は若いときから学問が広く、立派に詩文を作り、二十歳のときには地方長官の推薦をえて官吏登用試験を受けた。それで時の人々は名士と呼んだものだ。
出典:
『新釈漢文大系 44 唐代伝奇』173ページ
高等学校の現代文の定番教材、中島敦「山月記」の典拠である「人虎伝」の冒頭部分である。芥川龍之介「杜子春」の原作「杜子春伝」も収録している。