諸将は得易きのみ、信の如き者に至りては国士無双、…
本文(書き下し文):
諸将は得易きのみ、信の如き者に至りては国士無双、……必ず天下を争わんと欲せば、信に有らざれば、与に事を計る所の者無し……
読み:
しょしょうはえやすきのみ、しんのごときものにいたりてはこくしむそう、……かならずてんかをあらそわんとほっせば、しんにあらざれば、ともにことをはかるところのものなし……
通釈:
他の将軍たちはいくらでも獲得できますが、韓信のような人物は国家的な人材で、二人とはおりません。……どうしても天下を争いたいというなら、韓信でなくては一緒に計略するのに使う人物はおりません……
出典:
『新釈漢文大系 90 史記 十(列伝 三)』109ページ
「淮陰侯列伝」より。抜擢されないとわかって逃亡した韓信を追いかけ、戻って来た蕭何が劉邦に答える言葉。「淮陰侯列伝」は、この「国士無双」のほか、「韓信の股くぐり」「背水の陣」などの出典となっている。