子夜呉歌 秋歌(李白)
本文(書き下し文):
子夜呉歌 秋歌
長安 一片の月
萬戸 衣を擣つ聲
秋風 吹きて尽きず
総て是れ玉関の情
何れの日にか 胡虜を平らげ
良人 遠征を罷めん
現代語訳(全文):
子夜呉歌・秋歌
長安の夜空にかかる一片の月、
家家から聞こえる衣をうつ音。
秋の風は吹きやむことなく耳に届かせるが、
それはすべて玉門関の人を思いやる心。
いつになったらえびすを平らげて、
あなたは遠いいくさからお帰りでしょうか。
出典:
『新釈漢文大系 詩人編4 李白 上』
もと晋代、子夜という名の女性が作った歌。後にこれに基づいて多くの詞が作られ、また「四時歌」として春夏秋冬をうたい分けるようになった。もと五言四句であったが、李白の作は六句にアレンジする。