鬼神の聖人より明智なるは、猶お聡耳明目の聾瞽に与けるがごとし。
本文(書き下し文):
鬼神の聖人より明智なるは、猶お聡耳明目の聾瞽に与けるがごとし。
読み:
きしんのせいじんよりめいちなるは、なおそうじめいもくのろうこにおけるがごとし。
通釈:
鬼神が聖人より明智が優れていることは、ちょうど耳がよく聞こえ目がよく見える者と、耳が聞こえず目が見えない者とのようなものだ。
出典:
『新釈漢文大系 51 墨子 下』586ページ
墨家は、儒家の聖人尊崇に対して、鬼神の存在を認め、それを尊び従うべきだと主張した。この論は「明鬼編」に展開されている。