阮籍青眼
本文(書き下し文):
籍は礼教に拘らず、能く青白眼を為す。礼俗の士を見れば、白眼を以て之に対す。
読み:
せきはれいきょうにかかわらず、よくせいはくがんをなす。れいぞくのしをみれば、はくがんをもってこれにたいす。
通釈:
籍は道家の自然を好み、礼法の教えにはかかわらず、よく白眼と黒目とを使い分けた。則ち、礼儀にこだわる俗人に会えば、白眼でこれに対するのである。
出典:
『新釈漢文大系 59 蒙求 下』1041ページ
「阮籍青眼(げんせきせいがん)」より。阮籍は竹林の七賢のひとり。「青眼」は、よろこんで見る意、「白眼」は冷たく睨みつける意。兼好も「徒然草」170段で、「阮籍が青き眼、誰もあるべきことなり。」と、共感を示している。