杞憂
本文(書き下し文):
杞国に、人の天地崩墜して、身寄る所亡きを憂えて、寝食を廃する者あり
読み:
きこくに、ひとのてんちほうついして、みよるところなきをうれえて、しんしょくをはいするものあり
通釈:
杞の国に、ある人で、天地がくずれ落ちて、身のおき所がなくなるのを心配して、落ちついて日常生活を続けることもできないでいる者がいた。
出典:
『新釈漢文大系 22 列子』48ページ
「杞憂」の出典となった話。中国古来の考え方では「天円地方」であって、天球という概念はあっても、地球という概念はないという。地震・津波・火山噴火・洪水・山崩れ等々、杞憂などとは言っていられないことも多いのは、古代も現代も同じであろう。