故に伝を発すの体に三有り、而して例の為にするの情は五有り。
本文(書き下し文):
故に伝を発すの体に三有り、而して例の為にするの情は五有り。
読み:
ゆえにでんをおこすのたいにさんあり、しかしてれいのためにするのじょうはごあり。
通釈:
そこで左伝が伝を作って義例を説く柱には、旧例(正例)・変例・非例の三体があり、それら経文の義例を説明するための心くばりとして、五体が春秋経に存するというのである。
出典:
『新釈漢文大系 30 春秋左氏伝 一』31ページ
左伝の言わば編集方針。五つの情(五体)とは、1「微而顕」(簡約で明解)、2「志而晦」(意味深長)、3「婉而成章」(婉曲だが整然)、4「尽而不汙」(事実をありのまま曲げずに)、5「懲悪而勧善」(悪を懲らして善を勧める)である。