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今日の漢文

玉管 朱絃 急に催す莫かれ、容に歌を聴いて送るべし 十分の盃。…

本文(書き下し文):
玉管 朱絃 急に催す莫かれ、容に歌を聴いて送るべし 十分の盃。長に愛す 夫憐 第二の句、請う 君 重ねて唱えよ夕陽の開くを。

読み:
ぎょくかん しゅげん きゅうにもよおすなかれ、まさにうたをきいておくるべし じゅうぶんのはい。つねにあいす ふれん だいにのく、こう きみ かさねてとなえよせきようのひらくを。

通釈:
笛や琴を賑やかに奏でて急ぎ立てないでくれ、先ずは歌に耳を傾け、それからなみなみと注いだ酒杯を君に送らねばなるまい。以前から常に想夫憐の第二句を好んでいる、どうか「夕陽開く」の箇所をもう一度うたってくれ。

出典:
新釈漢文大系 108 白氏文集 十二上』208ページ

新釈漢文大系 108 白氏文集 十二上

 

ポイント
「想夫憐」詩の全文。自注に「王維右丞の詞に云う、秦川一半、夕陽開く、と。此の句、尤も佳なり。」とある。「秦川一半、夕陽開く」は、王維の詩「太常韋主簿五郎温湯寓目に和す」の第2句。「想夫憐」は、楽曲の名。俗に「想夫恋」とも書く。『平家物語』小督で、源仲国が琴の音を頼りに小督を探しに行く場面で、小督が弾いていた曲が「想夫恋」である。

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