web国語の窓

明治書院の国語教育webマガジン

MENU

今日の漢文

秦の始皇帝、会稽に游び、浙江を渡る。…

本文(書き下し文):
秦の始皇帝、会稽に游び、浙江を渡る。梁、籍と俱に観る。籍曰く、彼は取つて代る可きなり、と。

高祖、常て咸陽に繇す。縦観して、秦の皇帝を観、喟然として太息して曰く、嗟乎、大丈夫当に此の如くなるべきなり、と。 

読み:
しんのしこうてい、かいけいにあそび、せっこうをわたる。りょう、せきとともにみる。せきいわく、かれはとってかわるべきなり、と。

こうそ、かつてかんようにようす。じゅうかんして、しんのこうていをみ、きぜんとしてたいそくしていわく、ああ、だいじょうふまさにかくのごとくなるべきなり、と。

通釈:
秦の始皇帝が、会稽山に遊び、それから浙江を渡った。その行列を梁は籍と一緒に見物した。籍がいった、「あいつ! 奪い取って代わってやるぞ」と。

高祖はある時、夫役で咸陽へ行ったことがあるが、たまたま秦の始皇帝の行列を自由に拝観する機会があって、始皇帝を観て、喟然として深い嘆息をしていった、「ああ、男子たるものは、まさにこのようにならなくてはいかん」と。

出典:
新釈漢文大系 39 史記 二(本紀 下)』423・505ページ

新釈漢文大系 39 史記 二(本紀 下)

 

ポイント
籍は項羽の名。梁は叔父。高祖は劉邦。項羽と劉邦を対比する際によく引かれる場面。始皇帝の行幸を見ての二人の発言に、その立場や性格が表現されている。

タグ

バックナンバー

関連書籍

ランキング

お知らせ

  1. 明治書院 社長ブログ
  2. 明治書院
閉じる