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今日の漢文

秋風起こりて白雲飛ぶ、草木黄落して雁南に帰る。…

本文(書き下し文):
秋風起こりて白雲飛ぶ、草木黄落して雁南に帰る。蘭に秀でたる有り菊に芳しき有り、佳人に攜さえて忘るる能わず。楼舡を泛かべて汾河を済り、中流に横たわりて素波を揚ぐ。簫鼓鳴りて棹歌を発す、歓楽極まりて哀情多し。少壮幾時ぞ老ゆるを奈何せん。

読み:
しゅうふうおこりてはくうんとぶ、そうもくこうらくしてがんみなみにかえる。らんにひいでたるありきくにかんばしきあり、かじんにたずさえてわするるあたわず。ろうこうをうかべてふんがをわたり、ちゅうりゅうによこたわりてそはをあぐ。しょうこなりてとうかをはっす、かんらくきわまりてあいじょうおおし。しょうそういくときぞおゆるをいかんせん。

通釈:
秋風が吹きつけると、白雲が飛ぶように流れていく。草木が黄色くなって葉を落とすと、雁は南に帰っていく。蘭には美しい花があり、菊花には芳香がある。佳人を連れていて忘れることが出来ない。楼舟を汾河に浮かべて渡ろうとする。流れの中に舟を横ざまにすれば白い波が見えている。簫鼓の音が響きわたり、舟歌を歌う声が聞こえてくる。歓楽の思いが極まるとき、哀しみの情が多くなる。若くて元気なときは、どれくらいの時なのだろう、老いていくのをどうすることも出来ない。

出典:
新釈漢文大系 83 文選(文章篇 中)』451ページ

新釈漢文大系 83 文選(文章篇 中)

 

ポイント
漢の武帝(前141~前87)の作。「帝は河東(黄河以東の地)に御幸されて后土の神(土地の神)を祀られた折、帝都を振り返り見て心楽しまれ、河の流れの中にこぎ出して、宴の会を開かれた。帝は深く感動されて、自ら秋風の辞を作られた。」と前文にある。絶大な権力を持った者の老いの歎き。

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