太史公曰く、古は人臣の功に五品有り。…
本文(書き下し文):
太史公曰く、古は人臣の功に五品有り。德を以て宗廟を立て社稷を定むるは勲と曰い、言を以てするは労と曰い、力を用いるは功と曰い、其の等に明らかなるは伐と曰い、日を積むは閲と曰う。
読み:
たいしこういわく、いにしえはじんしんのこうにごひんあり。とくをもってそうびょうをたてしゃしょくをさだむるはくんといい、げんをもってするはろうといい、ちからをもちいるはこうといい、そのとうにあきらかなるはばつといい、ひをつむはえつという。
通釈:
太史公曰く、古は人臣の功に五品があった。德によって宗廟を立て、社稷を定めることを勲と曰い、言によって功績を挙げることを労といい、力を用いたものを功といい、その等を明らかにした功績は伐といい、歳月を重ねたことは閲というのである。
出典:
『新釈漢文大系 116 史記 三下(十表 二)』387ページ
この巻には、十表のうち、「高祖功臣侯者年表第六」~「漢興以来将相名臣年表第十」を収録している。掲げたのは「高祖功臣侯者年表」の冒頭部分。司馬遷は、また「後に君子有りて、推して之を列せんと欲せば、以て焉を覧るを得ん。」(後世、君子が現れて、高祖の功臣の顛末について更に推し究めて列ねようとする時には、この表を参考にすることができるだろう。)と述べている。