明道先生曰く、思邪無し。…
本文(書き下し文):
明道先生曰く、思邪無し。敬せざる毋かれ。只此の二句のみ、循ひて之を行はば、安得んぞ差有らん。差有る者は、皆敬せず正しからざるに由る、と。
読み:
めいどうせんせいいわく、おもいよこしまなし。けいせざるなかれ。ただこのにくのみ、したがいてこれをおこなわば、いずくんぞさあらん。さあるものは、みなけいせずただしからざるによる、と。
通釈:
明道先生がおっしゃった。「『思いによこしまな点がない。』『常につつましやかでいよ。』この二つの言葉は、すなおに行っていけば、誤りが出るはずがない。誤りが出るのは、すべてつつましやかでないことによる。」
出典:
『新釈漢文大系 37 近思録』245ページ
「近思録」は、宋の朱熹・呂祖謙の共著。自分達より100年ほど前の4人の学者の、学問と日常生活に関する言を集めて、この本を編んだ。明道先生は、その4人のうちの一人、程明道(1032~1085)。平易な教えであり、このような心がけで生活している人も多いのではないだろうか。