知行合一
本文(書き下し文):
知は是れ行の主意、行は是れ知の功夫、知は是れ行の始にして、行は是れ知の成なり
読み:
ちはこれこうのしゅい、こうはこれちのくふう、ちはこれこうのはじめにして、こうはこれちのせいなり
通釈:
知は行の目的であり、行は知の実際の修行である。また知は行の始めであって、行は知の完成である。
出典:
『新釈漢文大系 13 伝習録』40ページ
知行合一の説は陽明学の特色をなすものの一つである。合一の語は二つのものを一つに合わせるようにとれるが、陽明の言うところは、むしろ知行は本来一体であって、別けられぬものとの意味である。彼は行を伴わぬ知は正しい知でないと見た。宋以後知識が重んぜられ、理論は盛んになったが、儒家における行的方面が閑却されるに至った。それは正しい学問ではないとして、実行と体験の必要を主張したのが陽明である。