本文(書き下し文):
若し天下をして兼て相愛し、人を愛すること其の身を愛するが若くなら使めば、猶お不孝の者有る乎。
読み:
もしてんかをしてかねてあいあいし、ひとをあいすることそのみをあいするがごとくならしめば、なおふこうのものあるか。
通釈:
もし天下の人々をして併せて相愛し、他人を愛することはわが身を愛するようにあらしめたならば、それでもなお不孝の者があるであろうか。
出典:
『新釈漢文大系 50 墨子 上』174ページ


墨子の思想の最大の特色は「兼愛説」である。その主張を端的に述べている部分。