子曰く、言、物有りて行、格有り、是を以て生きては則ち志を奪ふ可からず、…
本文(書き下し文):
子曰く、言、物有りて行、格有り、是を以て生きては則ち志を奪ふ可からず、死しては則ち名を奪ふ可からず。
読み:
しいわく、こと、ものありておこない、のりあり、ここをもっていきてはすなわちこころざしをうばうべからず、ししてはすなわちなをうばうべからず。
通釈:
孔子が言った。その人の言葉には実証があり、行為には原則があるなら、その人の意志は、生きている限り、他人に奪われることなく、死んでからは、その人の良い名を汚すことはできない。
出典:
『新釈漢文大系 29 礼記 下』847ページ
「聖人君子」は揶揄の表現になってしまったが、本来は、虚言を吐かず、信念を持って生きている人のことをいうのであろう。