虎の威を仮る
本文(書き下し文):
子敢て我を食うこと無かれ。天帝、我をして百獣に長たらしむ。
読み:
しあえてわれをくらうことなかれ。てんてい、われをしてひゃくじゅうにちょうたらしむ。
通釈:
狐が言うには、「君は、わたしを食べるようなことをしてはいけない。天帝はわたしをなべての獣の長にされたのです。
出典:
『新釈漢文大系 48 戦国策 中』552ページ
「虎の威を仮る」の出典。北方の国々が宰相の昭奚恤を恐れているというのはほんとうかと問う楚の宣王に対して、臣下のひとり江乙が、虎の先を歩く狐の喩えをもって答える場面。実際は王様の軍隊を恐れているのでございますと。